昔のヒロさんは何処へ
偽装の夫婦9話いやだとか言っておいてあれなんだけど、やっぱり見返してしまった。
わたしは、ほら、偽装の夫婦ファンというより、あまみさんファンですから。かわいいあまみさんの映像があったらやっぱり何度でもみたくなってしまうんですよ。
まあ2回みてもやっぱり9話の良さはみつけられなかったよね。あまみさんが素晴らしく美しくてかわいいこと以外は。
それなのに今日ブログを書こうと思ったのは、ヒロが8話までのヒロさんと同一人物にみえないという点について書きたくなってしまったから。
大学で身体とアイデンティティについての授業があって、またヒロさんに結び付けてしまったわけなんだけど、授業きいててなんでもあまみさんに関連付けるわたしの脳はもう末期症状。
昔は写真もないし今のように指紋やDNA鑑定で人を識別することもなかったから、ある人を「その人」だと認識する術がなかったそう。だから、何年も音信不通だった人が帰ってきて、容貌が変わっていても、その人しか知りえないであろう事柄を知っていれば「その人」だと認定されたらしい。要するに、自己同一性を確認する手段がいまよりはるかに少なかったし、じゃあ自己同一性ってどこに依拠しているのかということを考えなければならないというお話。(cf: 「マルタン・ゲールの帰還」)
これを聞いて、8話までのヒロさんと9話のヒロが同一人物であると認められるのはどの部分だろうと思ってしまった。同一性はどこにあるのか。9話の展開がひどいのはもちろんなんだけれど、一番違和感があるのは、ヒロのキャラクターのあまりに大きすぎる変化。だってこんなに違うんだもん。
<8話までの(わたしが好きで応援してきた)ヒロさん>
①ぽやぽや眉毛にほぼノーメーク状態。口紅も素に近いベージュ。
②顔周りに後れ毛を残したハーフアップ。前髪もオールバック。ストレート。
③心の声はかなりひどい言葉づかい。
④表に出す声は、慇懃無礼ともいえるほどの丁寧な言葉づかい。
⑤1話からずっと、心の中で悪態はついているものの、本当に助けるべき人(ユウちゃん、天ちゃん、八重ちゃん、しおりさん、それに超冶)をちゃんと見つけて助けてあげられる、心根の優しい人。
⑥アパートの床が抜けるほどの大量の本を所有。
<9話の(あまりにもこれまでと違いすぎる)ヒロ>
①しっかり眉毛にローズの口紅。艶のあるアイシャドウもしているかんじ。
②図書館では前髪を流したハーフアップ。それ以外はただすとんと伸ばした髪型。毛先内巻き。
③心の声が出ちゃった7話と違って、思っていたことをいうときもそこまでひどい言葉づかいではない。
④かといって慇懃無礼でもなく、香苗に対しても「あんたら」とか言ってしまう。
⑤心根は優しいはずなのに、自分が超冶にされて辛かったことと同じことをしおりさんにしている。
⑥あれほど積み上げてあった本がしおりさんの家にはない。郷田家においてあるのか。そこまで本に入り込まなくなったのか。
ほら、全然ちがう。心の痛みはだれでも一緒だということをわかっていたはずのヒロさんが、しおりさんに対して自分がされて辛かったのと同じことをしないと思う。口調だって変わりすぎでしょう。いくら心の中で毒づくのをやめたからって、25年間常に丁寧すぎる敬語で話してきたのに、いきなりあんなにTPOもわきまえない発言しないでしょう。目上の人に対して節度ある大人がする言葉づかいじゃないし。見た目も、優しかったはずの人としての根幹の部分も、口調も変わってしまったら、同一性をどこに見出せばいいの?超冶に対する想いだけってこと?ヒロさんはそんなに弱い人じゃないでしょうに。
いやだいやだとか言いつつも、やっぱり偽装の夫婦について考えてしまう。
ヒロさん戻ってきて…。